誰に目線を合わせて伝えるのかを意識することを考える。

2012年12月03日(月)【
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先日の話だけれども、自宅にて嫁様がどえらいご立腹であった。

話を聞いてみると、どうも嫁様が契約している某プロバイダの電話営業で、LTEがどうとか長時間に渡って説明された挙句、何も得ぬまま時間を無駄にし、あまつさえ子どもの面倒を見るのに手一杯なのにわけのわからん話をするんじゃないよ! とのことで。

LTEと聞くと、僕らみたいなIT側の人間やガジェット関連に詳しい人からすれば定番の言葉で、CMでも散々流れているけれども、実際問題、それは何であるのか と問われると返答に困る場合も多かったりするものだ。

知ってる人からすれば常識かもしれないけど、知らない人にとっては同じ日本語で説明されても異国の言葉のようなもので、わけが分からないまま話を進められても困る というのが本音だったりするのではないだろうか。

これって、人を無勉強だと言うのはとても簡単なことだけれども、多くの場合においては上手に伝え切れなかった教える側にも問題があるわけで、じゃぁ、どうすればもっと人に伝えることが出来るのか って言うのは人と接して仕事をしていく以上避けられない問題ではないか。

そんな感じで、今回は「教えること」を営業的な側面に置き換えて考えていこうかと。

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たいていの人は「興味を持っていない」状態からスタートする

どのような職域、分野においても、様々な専門用語が存在している。

自分が接していない限りはそのような専門用語を知るようなことはほとんどないし、特に覚えたところで日常生活に支障が無いのであれば、興味でもない限りは覚えることもないだろう。
基本的に人は「覚えたいこと」しか覚えない、「知りたいこと」しか知りたくないわけで、さらにほとんどの人は自分の専門外なんぞに興味を持つことは無い。

今回、嫁様がご立腹だったのは
「興味が無いことについて、延々と専門知識ひけらかされた上に営業かけられて、さぁどう? なんて言われても知るか!」
って話で、いきなりLTEがどれだけすばらしいかのウンチクを垂れ流されても、そもそも基本的な知識も無く、何がすごいのか実感として沸かないものに対して「覚えろ」と言われたところで覚えるわけが無いのだ。

専門的な知識を持つって言うのは、何かにおいてひとつの優位に立てるということは概ね間違っていないのだけれども、それを人に押し付けたところで、その気が無ければ意味が無い。

つまり、興味のない人に対していきなり濃厚なお話をされても、わけが分からないんだから食いつくはずも無い。

興味を持ってもらうには?

ということは、営業の基本はまず以って「相手に興味を持ってもらう」ところからスタートするわけで、例えば最初から興味を持っているユーザー層を把握しており、そこに対してピンポイントで仕掛けると言う場合であれば話は別だけれども、そうではなくて、興味の無い相手をその気にさせるにはテクニックが必要となってくる。

そのテクニックってなんじゃらほい? ってな感じになるんだけど、これって所謂「掴み」みたいなもので、相手に何がどうなのかわからなくとも、まずは「LTEすげーーー!」って思ってもらわなければ話にならないわけだ。

そういった場合は専門用語や知識って言うのは野暮に映ることも多いもので、まず最初に「あなたのインターネット、もっと快適になるかもよ?」的な一言からスタートするって言うのも手の一つだと思う。

インターネット関連であれば、「現状の環境で動画が繋がりにくいことありませんか?」「外でインターネットするとき、もっと快適に繋がったらいいと思いませんか?」みたいなアプローチの方が分かりやすかろうて。

もしもその時点で相手が「満足している」と答える可能性があるなら、次の言葉を事前に考えて計算のうちに入れておくとか、「確かにそうかもしれない・・・」って返事が返ってきたら、次の一歩をどう分かりやすく説明していくか っていう選択肢も生まれるもので、まずは「相手の環境を把握した上で一言を伝える」って言うのはすごく大事なことなんじゃないかと思う。

好きな人にいきなり「好きです付き合うよね?」なんて言っても、なんだかなあってなるじゃない?
大体はまず、「好きな人とかいるの?」って聞くじゃない? そんな感じで、少しずつ接近していかないと、たいていの人は引いてしまうものだ。

多くの人は技術に興味は無い。自分に有益か否かのみ

誰だって無駄な時間を取られるのは嫌なもので、初対面、もしくは電話による声のみでの初トークにおいて、長時間拘束されるのは嫌なものだ。

わけのわからない話で十数分費やすとか、そんな時間があれば料理のレシピ一つでも考案したくなるのが人の常ってもので、必要なことは端的に短時間で伝える必要も出てくる。

その際に出すべき言葉は技術的なものではない場合の方が多い。
そのすごさを伝えるために専門用語や技術情報などを伝える場合もあったりするわけだけれども、前述の通り、たいていの人はそこら辺にはあまり興味がないもので、結局は「自分に有益なものであるのか」と言う一点に帰結する。

つまり、営業として相手に伝えるには「その人にとって有益な情報で無ければならない」と言う前提が出来上がるわけで、それを短時間かつ簡単に説明できるかどうかが最初のポイントになるんじゃないか。

「興味を持つ」って言うのは「自分にとって有益である」とイコールに近いもので、「あなたにとってこんなメリットがありますよ」ってまずはそこをしっかりと教えないと、教えられる側は自分に何が得なのか分からないままなのだ。

最終的に有益か否かを判断するのはお客様と言うことにはなるものの、まずは「私が考えるに、コレを提供することであなたにはこういうメリットがあります」ということを「分かりやすく」提案できなければならない。

「知識に裏打ちされた分かりやすさ」を意識する。

多くの場合は、お客様と言うのは素人さんなわけで、専門知識や技術を持っているわけではない。
つまり、専門的な話をしたところで伝わるわけが無いのだから、いかに分かりやすく紹介するかと言うことは重々考えておく必要のあることだ。

最初の例で言う「LTEってなんぞや?」ということを技術的に伝えたところで人には伝わりづらいことは、もう納得していただけたとは思うんだけど、でもLTEをプッシュしなきゃいけないと言う営業的な気持ちもあるわけで、ではどうすればいいのか となった場合は、変な言い方だけど「適当」でいいと思う。

もちろん、何の知識も無く「ネットが早く、快適に繋がります!」と言ったところで誰が靡いてくれるのかって話になってくるけど、しっかりとした知識があるのであれば、掴みとして「LTEにすると、ネットがもっと快適になります」からスタートし、どう快適になるかを伝え、そこで興味を持って貰えたら、本格的な説明に入るって言う流れを作る事だってできるものだ。

知識や理論ってものは不思議なもので、理解があればあるほど出てくる言葉というのは結構いい加減になってくる。
でも、いい加減であっても、それは「知識に裏打ちされた理論武装の結果」であって、それをより人に広めるにはこのくらいの紹介が丁度良いって言うのがなぜか分かってくるのだ。

僕なんかはしょっちゅう人に「おっぱいの何が好きなの?」とか聞かれるんだけど、出てくる答えは最早「存在が好き」としか言えないわけで、でももっと詳細に言うなれば、多分文字数2000は使える程度には語ることは出来るけど、そんなの聞いて誰かうれしい人いるか? ってなるので、特に説明することも無い。聞かれりゃ答えるけどさ。

ここで大切なのは「人に教えるには相応の知識や理解が無ければならない」と言う条件と「知識に裏打ちされた、誰でもわかる説明」の2つを両立させなければならない ということだ。

誰の目線で語るのか。それが問題

今でも結構多いんじゃないかなーって思うんだけど、例えばデザインを組んでクライアントに提出する際、やっぱりデザイン側とクライアント側で意見の折り合いがつかない場合も出てくる。

確固たる意識があって、一定の形に沿ったデザインを望むクライアントであれば、要望に合わせて作れば良いわけだけれども、中には「とりあえず何でもいいからセンス良さげな物を作ってくれ」って言われると困るって言う経験をした事のある方も多いんじゃないかと思うんだけど、じゃぁこういう形で組んでみましたよ! ってなると、クライアント的に「違うなー」とか、どないせいっちゅうねん! みたいなね。

これは事前のヒアリングの問題もあるんだろうけど、デザイン側としても「なぜこのデザインにしたのか」と言うことが理解できていれば解決できることもある問題で、

「御社のイメージカラーや商品について意識し、最もマッチングするデザインを考案してみました」
とか
「このデザインの場合、お客様目線として考えると、御社の魅力を伝えやすいよう適した配置を心がけました」
とか、プレゼンの言葉も明確になってくるものだ。

この場合、「クライアント目線に立っているのか」「エンドユーザー目線に立っているのか」でも違ってくるんだけど、「誰の為に作ったか」って言うだけで請求力と言うのは大きく違ってくる。
上記の例はまぁ、そんな簡単に話進むなら誰も苦労しねぇよ! って話にも発展しかねないのでこの辺で終了するけど、「誰の目線に立っているか」って言う立ち位置を意識するのは重要なことなんじゃないかなぁ。

目線を合わせると言うのは、「ニーズの最大公約数を知ること」にも繋がるわけで、やっぱり研究や調査も必要になるし、事前にどれだけの資料を集められるか、統計を取ることが出来るかということもポイントになってくる。
簡単なものではないんだけど、「人が何を求めているか」と言うことは知っておかなきゃならない。

我々は少数派。自分の知識は「当たり前」でも「常識でもない」

ひとつの業界に長いこといると、周囲の人間も同じ職域だったり、似たような業種だったりするものだから、その知識もツーカーで通るし、専門用語だらけでも通じ合うものはある。

しかし、それを外に持っていくとアラ不思議、変人扱いです。
なんてことを経験したことのある人もいるだろう。

理解しておかなきゃならないのは、知識や技術と言うのは持てば持つほど自分は少数派に属していくと言うことだ。
大きな業界であったとしても、その業界の中の知識でしかない場合も多く、大多数の普通の人からすれば、結局は興味の持てないことだったりする場合も多い。

知識や技術、理解を誇りに仕事に立ち向かうのはすばらしいことだけれども、世の中には
「人に教えるには3倍の理解が必要」
と言う言葉もある。

残酷な話だけれども、知識や理解に自信を持って伝えようとして伝わらなかったのなら、それは伝える側の理解が足りなかっただけと言う話の方が多い。

言葉はちゃんと分かりやすいように噛み砕いたのか? 時間をかけすぎていないか? その言葉、あなたしか理解できてないのでは? 相手をその気にさせるためのアクションは起こしたか?

いろんなことがあるけれども、コミュニケーションとして考えても、相手のことを考え、障壁を取り除くのは「伝える側」の役目であることは意識しておきたい。

自分の「当たり前」や「常識」は他者にとってそうではない場合もある。
だからこそ、お互いの目線を合わせ、人の気持ちに寄り添い、理解を得る。そしてやっと営業をする土台が出来上がるわけだから、まずはそのとっかかりを上手に掴まえたいものだ。

文章長い人より。

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