コンビニ店員だった頃

2016年07月28日(木)【
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今となっては誠に以てお恥ずかしい話だが、結婚直前から子どもが生まれるちょっと前までの間、わずかな仕事と週3日、数時間程度のアルバイトで過ごした20代後半がある。

自分の心を守るための言い訳が許されるなら、あくまで「新規にオープンするコンビニエンスストアのオーナーとなる友人の手助けのため」という名目こそあるわけだが、実質は足りない収入を補う手段であったことも否定は出来ぬ。

結局色々あって仕事が増えつつある状況になってきたこともあり、1年未満で辞めたわけだが、色々と思い悩むことの多かった時期でもあるので、いい加減その辺りのことを残しておこうかなと思った次第だ。

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28歳アルバイトとしての自分

お店がオープンする数ヶ月前くらいに、友人のご両親から話を受け、どうせ暇だし、友人の手伝いも面白そうだしストレスもなさそうだよなとか言う、非常に安直な理由でコンビニバイトをすることが決定した。

とは言え、仕事が全くといっていいほど無かった28歳、結婚間近。思うところも多々あれど、背に腹は変えられぬというのっぴきならない事情もあったりで、ある意味、収入源の確保に安心していたことを今なら認めることもできようものだ。

そう、当時は本当にお金がなかったし、でも結婚を控えてるし…みたいな感じで、それはもうものすごく複雑な気持ちが混在していた。

いつまで自分はフラフラしてんだろう…。責任ある立場(家庭人として)を全う出来るのかとか、泣き言と不安の方が多かったと思う。

あと、一応ながら名目上、僕も新規アルバイトとしての面接を受けなければならなかったんだけど、面接にきていたのは高校生と、主婦と、定年後の時間つぶし的なオッサンとかで、ちょうど僕みたいな、いわゆる「働き盛り」の人なんていなかった。

いたとしてもフリーター。

何と恥ずかしいことに、僕はこのとき、「自分は自営業者で、デザインの仕事とかして、お前らとは違うはずなんだ」って臆面も無く思っていたりもした。

今思い出すたびに穴があったら入りたいし率先して入れていきたい気持ちになるが、本当にそんなことを思っていたのだ。

蓋を開ければ何も変わらない。仕事すら満足に手に出来ない、でも開き直りすら出来ず、理由を付けては自己満足で平静を保とうとするような、まぁどうしようもない奴だったよなぁ。

とは言え、そんなこんなで僕のコンビニアルバイトが始まることになった。結婚を2ヶ月前に控えたときのことだった。

いきなりの大問題。思考が止まらない日々

さぁお仕事頑張るぞ!

と意気込んでみたものの、残念ながらそのお店の立地は想定よりも悪かったようで、車の通りの割に集客が出来ない、住宅街がすぐ裏にあるのに人が来ないという環境で大いに苦戦することになる。

オープン3日間は多忙に多忙を極め、予定業務時間から延長するなどして凌いでいたので、これは幸先いいな! とオーナーと喜んでいたのだが、それも終わると途端に閑古鳥が鳴く状況である。

お昼のピーク時に100人集客が出来ないと言うのは割と致命的で、1日多い日でも500人程度。人が少ない時は1日300人程度しか集客が出来ないほどだった。

ちなみに蛇足だが、地方のコンビニで生計を立てようとすると、大体1日800人(エリアや客単価によって前後はするけど)くらいは欲しいという感じらしく、それには遠く及ばない数字であった。

仕事自体は緩やかなものなので、分からないことでも教えてもらう余裕はあるし、なんなら空いた時間で明日の売上のための何かをするぞ! みたいなこともできるのだが、緩やかすぎてすぐに暇になったり、覚えたことを実践出来ないのですぐ忘れたりするなど、楽ではあるが物足りない、しかもオーナーである友人の顔面が厳しくなっていくのを見るに心苦しさも襲いかかってくるような日々だった。

そんなこんなで、今でもレジ打ちなり商品チェックなり在庫補充などは出来ると思われるが、結局最後まで宅配便の手配をマスターすることは出来なかった残念。

今はすでにお店も引っ越し、好立地で忙しい日々を送っているようなので一安心と言ったところだが、当時は本当にお客さんが少なくて、お互い休日(というか仕事を入れてない日)に集まってどうしたもんかと相談ばかりが続いていた。

それでも楽しかったこと

一応ながら、当時もフリーランスとして働いていた(仕事は無かったけど)わけで、illustratorもPhotoshopも使えるぞ! という程度のスキルはあったので、POP作りだけは本気を出していた。

暇だったし、お客さん少ないなら客単価上げるしかないよなって感じで、他の店には無いようなPOPをガッツリ作っていこう! という感じで制作に勤しんでいたのだけれども、一週間目で気がつく事実

手描きの方が断然強い

に、早々にやられ、イチからPOPとはなんたるかをひたすら調べることに。

これについては未だに覚えてて、どう言う環境下において、どういう打ち出し方が良いのか みたいなのは、ほんのちょっぴりだけ自信があるのと、薬局なんかに行くと必ず手作りPOPをガン見してしまう習性が出来上がってしまった。

今でも手描きPOPの底力には敬意を覚えずにはいられない。

あるあるだけど、シャレにならないミス

当時はみんな素人に毛が生えたようなもんだし、マーケティングなんて何それ? で、売れ筋ミスってもなんとでもなるだろ! みたいな軽いノリだったところは否定できないが、それに積み重なって誤発注トラブルなんて経験してしまうと、結構心に来る。

売れないものをノリで発注してしまった程度なら、自腹で数日掛けて購入すれば良いが(本当は良くないけど)、それこそTwitterなんかでもよく見る「桁間違い」発注なんてくると本当にキツい。

賞味期限の長いポテチを10袋発注のつもりが100袋だったであれば、バックヤードに保管すればいいし、お弁当の桁間違いは本部から指摘が入るので、大体の場合はそこで修正が利くものだが、パンの安売り祭りとか、微妙に日持ちする、かつイベントが重なった場合、チェックをすり抜けて10個発注したつもりが100個発注してしまいました なんてことになると目もあてられないことになってしまう。

一度、オーナーが安売り対象商品と間違え、売れ筋ではあるが対象外商品をいつもの10倍くらい発注した時は本当に肝が冷えた。

この時ばかりは全員で総力を挙げ、POPを作りまくってなんとか売り切ったことで凌いだが、あんなことが平時で起こると心労きついだろうなーとは思う。

また、発注量選定のミスから出てくる食品の廃棄問題だが、友人のお店はお客が少ない分、発注量のミスと廃棄問題はダイレクトに収入に関わってくることもあり、最終的にはかなり絞る方向になったようだ。

この時のクセは未だに染み付いてるらしく、現在においても、どうも店舗の集客規模の割に廃棄量が最小限で済まされているとのことで一定の評価を持っているらしい。

当時からこの辺りは結構考えていたところもあって、僕自身においても「必要なもの」が「必要な人のため」に「適切な量」用意出来るかみたいな考え方を培っていたような気がする。

そして退職

アルバイトなので退職と言っていいものかどうかわからんけれども、子どもが生まれる2〜3ヶ月くらい前にオーナーと話をつけ、しがない自営業専門に戻ることとなった。

仕事の打診量は増えつつあったとはいえ、それでも身重の嫁さんを支えられるほどの収入かと言われると全然、全く足りてない危機的状況であったことに変わりはないが、コンビニの仕事を通して思うところもたくさんあって、自分このままじゃいられないよなぁ とか、オーナーである友人が、いつも飄々として、イヤなことからはさり気なく身を引き、ユルユルと生きていたはずのあの男が経営に向き合って、必死で売上を立てようとしてる姿を見続けて、あ、俺ダメだ。絶対これダメなやつだってなって、結婚して、29歳になって、もうすぐパパになるって時にまで追いつめられてやっと動くことができるようになったみたいな。

紆余曲折はあれど、またオーナーとはただの友人に戻り、自分は自分で頑張っていこうという決心をしてようやくここまで来た感じだ。

今でも残っているもの

アルバイトしての席な。

まだ登録抹消がされてない(友人が何かと都合がいいので暇なら小遣い稼ぎに来いやと言ってくれてる。その機会はまだない。)ので、一応復帰は可能だ。

なので、路頭に迷ったら深夜ずっと居座ってやろうかとか、そう言えばレーザープリンター欲しいから、2ヶ月ほど入れてくんね? みたいなことをやろうと思えばできるかもしれない。随分仕事方法も変わっただろうからついていけるかどうか分からないけれども。

閑話休題。

28〜29歳、コンビニバイトをして、色々追いつめられてて、友人の手伝いはしたい。でも収入としてもアテにしてるみたいな感じで未だに複雑な感情が呼び起こされるものだが、それでも、良い経験だったなーって思う。

つまるところ、三十路に片足突っ込んだ、ただのフリーターがコンビニバイトしてるだけじゃん! って話なのだけれども、今の仕事に役立っていることも多いもので、特にものの売り方とか、ネットショップ以外での、実際に面を合わせたトラブル対処の方法とか、接客しながらでも、ちょっと強気なお客さんとの喧嘩(!?)の仕方とか、あとPOPの面白さとかは、自分の血となり肉となっているよなぁと。

何事も経験で、その経験を人生に活かせるか否かと言う意味では職業に貴賤無しとはよく言ったものだと思うが、結局のところ、自分の得たものは自分で活かし方を考えないと使い物にはならないわけで、人生においての唯一の武器とも言える財力と若さすらまともに行使出来なかった時期を過ごさざるを得なかった点は後悔しているものの、それはそれとして今でも使える知識を今でも活用出来るというのは幸せなことだと思う。

なんのかんのでトラブル起こしたり色々あったが、人生について、かなり深く考えなきゃいけない時期に得た経験としては悪くはなかろうという感じで、どうにもこうにも我が身にこびりついている、そんな昔話でも残しておきたいなと思ってみたものであった。

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